2005年01月17日
FCFCのPHの増設プラントが本稼動入り
長春石化の新設備はまだ試運転が続く
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱化学

 わが国のフェノールメーカーと大手商社の調べによると、台湾・FCFCが増設したフェノール(PH)の年産20万トンプラントが本稼動に入った。昨年秋口に完成したものの、原料不足のため本稼動入りが遅れていた。
 これによって同社のPHの総生産能力は合計40万トンとなった。アセトンは自動的に約24万トンに拡大する。
 一方、ほぼ同じ時期に台湾に20万トン能力のPHの新設備を建設した長春石油化学は、まだ本稼動するにいたっていない。引き続き試運転中で、関係筋の多くは営業運転の開始時期は3〜4月以降になるとの見方を強めている。
 アジア地域では、これらの新増設に続いて韓国・錦湖P&Bが2月末に15万トンの増設を完工して4月から稼動を開始する予定。
 
 しかしその一方、2月から6月までの間は、韓国や日本でPHプラントの定修が相次ぐ見通しにあり、また、以前からアジア地域の需給バランスを大きく左右する欧米のPHメーカーの間でも大型プラントが3月から4月にかけて2〜3週間ずつ、定修のため運休する見込みとなっている。この間に運休するプラントの年産能力の合計は344万トンに達すると予想されている。さらに、わが国の新日本フェノールが3月末に三菱化学との合弁事業を解消、6月末には12万トン装置を止めることにしてもいる。
 
 こうした点から、中国の需要が今年も着実に伸びる見通しなのでアジア全体の需給バランスが崩れることにはならないとの見方が一般的となっている。