2005年01月19日
PVCの昨年の国内向け出荷、5年振りに前年超え
「今後は軟質分野の復調にも期待」と中原・VEC会長
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:大洋塩ビ、トクヤマ、塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会は19日、04年12月の生産、出荷実績を発表した。PVC(塩ビ樹脂)の昨年の生産は213万1,270トンで前年比99.2%、総出荷量も213万2,410トンで98.9%と横ばいだった。出荷量のうち国内向けは146万8,524トンで102.9%と5年振りに前年を上回った。とくに硬質用が106.6%の84万8,732トンと伸びた。

 一方の輸出は、66万3,886トンで同91.1%にとどまった。これは、秋口以降輸出余力が乏しくなったことも作用したと見られている。

 記者会見した中原茂明・同協会会長(トクヤマ社長)は「長い間低迷していた国内向け出荷が5年振りに前年を上回ったのは明るい材料」と前置きしたあと「塩ビサッシやサイディングなどに新しい用途の開拓が順調に進んできたことが大きい」と強調。「塩ビ樹脂が本来持っている多くの長所が認められた結果と言えよう。これからは軟質分野の需要も増えてくると思う」と今後への期待を語った。

 また、日野清司副会長(大洋塩ビ社長)は、同樹脂の需給について「年間220万トン弱の総設備能力に対して総出1荷数量が213万トン強となっているので、文字通りウエルバランスの状況にある」と指摘。当面の見通しについても「1月の国内需要は引き続き順調に推移しており、中国の需要も旧正月明けから再び活発化すると予想されるので全体に不安材料はない」と述べた。また、12月末在庫が前月を上回っている点については「春に大型定修を予定しているためで、適正水準だ」と説明した。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1106129691.tif