2005年01月20日
EPSの昨年の出荷量、7年ぶりに前年超え
ブロックや家電等の需要拡大で1.8%増に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:発泡スチレン工業会

 発泡スチレン工業会が20日に集計したところによると、発泡スチレンビーズ(EPS)の昨年の総出荷数量は19万872トンとなった。前年の実績を1.5%上回っている。1998年いらい6年続いてきた前年割れにようやく終止符が打たれた。
 
 EPSの年間出荷数量は、1997年に前年を2.4%上回って21万4,008トンとなったのを最後に毎年減少を続けてきた。98年は4.2%減、99年は1.0%減、00年は2.1%減、01年は3.2%減、02年は0.4%減、そして03年は2.1%減--とマイナス成長が続き、6年間トータルで2万6,524トンの需要の喪失となった。
 これには、家電メーカーの生産拠点の海外移転に伴う家電梱包材向けの需要の減少が大きく影響してきたと言える。また、EPSメーカーと加工メーカーの双方が競争力強化のため最終製品の薄肉化に懸命に取り組んできたことも重量ベースの縮小の要因の一つとなったと分析する向きもある。
 
 それが04年にプラスに転じることができたのは、家電梱包向けが前年を6.1%上回って再び2万トンの大台を回復したことと、ブロック向けが14.5%伸びてこれも2万トン台に乗ってきたことによるところが大きいと言ってよい。農業用(農産物向け)がマイナス成長に転じ、またその他成型品向けは2年連続して前年を割り込んだが、家電向けとブロック向けがカバーした。最大消費分野の水産向け(魚箱向け)は、0.5%増で、小幅ながら4年連続の拡大となっている。
 需要分野別の昨年の出荷数量は以下の通り。単位はトン。カッコ内は前年比。
 ▽水産向け   97,206(100.5%)
 ▽農業向け   12,845( 93.1%)
 ▽他成型品向け 36,523( 99.3%)
 ▽家電向け   20,218(106.1%)
 ▽ブロック向け 22,468(114.5%)
 ▽ネダ向け    1,491(115.5%)
 ▽一枚焼き向け  121( 60.2%)
 合計      190,872(101.8%)