2005年01月26日
三井化学、PTAの輸出価格引き上げへ
PXの高騰に対処、2月分を20ドルアップ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はPTAの2月の対中国向け輸出価格を1月比でトン当たり20ドル引き上げる方針を固め、中国の需要家各社に説明するとともに説得を開始した。CFR価格を同920ドルに底上げする。

 PTAの中国向け価格は、昨年11月に前月比55ドル高の965ドルに達したあと、12月に900ドルに下降し、今年1月もそのままのレベルに据え置きとなっていた。昨年1月以降は、同月の670ドルをボトムに毎月上昇を続けてきたが、11月以降は中国のポリエステル繊維メーカーをはじめとした需要家の多くが採算割れの打開策として減産に踏み切ったことから反落していたもの。

 そうした中で今回同社が底上げに転じることにした最大の要因は、原料PXの2月の価格の高騰が必至の見通しとなったきたことにある。

 またもうひとつには、ここにきて中国市場全体に再び原料PXの先行きの需給バランスに不安感が頭をもたげてきて、それに伴いPXとPTAの双方に対する先高観が広がって、PTAの引き合いが増えてきはじめたことも今回の決断を促す有力な材料になったと見られる。最近の中国の需要家筋のこうした動きを敏感に捉えてすでにスポットものの価格は急反発の傾向をたどっている。月初に比べるとすでに60〜70ドル上がっており、同社などPTAの大手サプライヤーの再値上げの要求が中国側に受け入れられる素地は整いつつあるといえる。