2005年01月27日
ベンゼン 2月米国コントラクト価格も大幅アップ必至
ベンゼン各社、320〜325セントでノミネート
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 ベンゼンの2月のUS/CP(米国のコントラクト価格)が大幅に引き上げられるのが必至の見通しとなってきた。同国のベンゼン大手と主要需要家との間で今週明けから始まった2月のコントラクト価格交渉の場において、ベンゼンメーカーがいずれも1月を大きく上回る価格を提示してきたことによるもの。

 多くのベンゼンメーカーがガロン当たり320〜325セントをノミネートしており、これに反発するユーザー側の再考要求を強く拒否している。これが実現すると1月のUS/CPを同56〜58セント上回ることになる。トン当たりに換算すると1月の792ドルが960〜975ドルに一気に引き上げられる。最終決着するのは来週あけとなる見通しだが、少なくとも300セント台に戻るのは確実と見られている。

 ベンゼンメーカー側が大幅値上げを打ち出してきたのは、原油価格の再上昇が避けられない見通しとなってきたこと、SMやフェノールの需要が中国を中心に世界全体で再び活発化しベンゼンの国際需給バランスが再度タイト化する見込みが強くなってきたこと、などによる。

 わが国のベンゼン価格は今年3月まではUS/CPとナフサ価格の両方の変動に合わせて決定される仕組みとなっている。したがって、ナフサ価格がよほど下がらないとSMメーカーやフェノールメーカーなどベンゼンユーザーは厳しい局面に立たされることになる。