2005年01月31日
L-LDPEの昨年の輸入、前年の19%増に拡大
サウジとシンガポール品が急増
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:財務省

 L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の昨年の総輸入数量は、前年を18.9%上回って16万5,498トンとなった。サウジアラビア品とシンガポール品の伸びの高さが特に目を引く。
 
 財務省が28日にまとめた昨年12月の輸入通関速報によると、L-LDPEの同月の総輸入数量は1万5,373トンとなった。前年同月の実績を58.7%上回っている。トップはサウジ品の4,274トンで、全体の27.8%を占めた。前年同月に対する伸び率も87.0%と高い。
 
 これに伴い昨年1年の総輸入量は16万5,498トンとなり、史上最高の03年の13万9,165トンを塗り替えた。この場合もトップはサウジ品で、前年比36.2%増の5万4,853トンとなっている。以下は、米国品の3万6,468トン、シンガポール品の2万3,678トン、タイ品の2万3,238トン、韓国品の2万1,652トン--といった順になっている。
 
 L-LDPEの輸入がこのように大きく伸びるのは最近ではきわめてめずらしいこと。この要因は、特に下期に入って国内の大手L-LDPEメーカーが原料エチレンの手当て難から同樹脂の生産・販売量を大幅に絞る行動に出たため大手フィルムメーカーが海外品の調達に急遽乗り出すようになったことにあると見られている。このため、同樹脂の輸入価格は、1月にキログラム当たり平均111円であったのが12月には円高にもかかわらず128円に上がっている。

【関連ファイル】
資料
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1107130639.xls