2001年10月18日
大日本印刷のLED利用カラーフィルター、パソコン、TVの一体化促進も
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:シャープ、大日本印刷、東芝

 パソコンやTVのディスプレイ(画像)を、より鮮明で、高輝度、高色性なものに性能を引き上げようとする動きが活発化しているが、大日本印刷がこのほど明らかにしたLED(発光ダイオード)バックライト方式によるLCD(液晶)ディスプレイの画質向上が話題をよんでいる。

 BS(衛星)放送への対応で、パソコンとTVの一体化が進むなか、LCDディスプレイの鮮明さが向上すれば、TVのブラウン管方式のディスプレイもLCDにとって代わられるのではないかというわけだ。

 液晶テレビやパソコンモニターとして利用されるLCDディスプレイは、ブラウン管方式のディスプレイと比較して、明るさや鮮明さの点で劣りその改善が求められていた。ディスプレイの画質レベルの指標として、カラーTVの放送方式であるNTSC規定の色再現領域と大日本印刷がが開発したLEDバックライト方式の高色純度カラーフィルターを使用した液晶ディスプレイはブラウン管方式と同等以上(110%)の高輝度、高色再現性を実現、従来のNTSC比約70%を大幅に上回ったとしている。

 現在、バックライトとしては冷陰極管(けい光管=CCFL)が使われカラーフィルターと組み合わせているが、明るさと鮮明さの両立が困難。同社はNTSC規格の色調に近づけるため、カラーフィルター顔料を改良し、顔料の最適調合を行った。この結果、高色純度カラーフィルターの開発に成功したもので、次世代液晶TVやLCDモニター向け市場の開拓を見込んでいる。

 当面のディスプレイの対象は20インチまでで、いまのパソコンの市場を1億台とすると、その20~30%を代替、またパソコンと一体化するTV市場にも進出できるとみている。

 LCDディスプレイ市場の競争は台湾、韓国などを交えて激しくなっている。さる10月17日にも東芝と松下が LCD事業の統合を発表した。こうしたなかで大日本印刷の高色純度カラーフィルターの開発はわが国LCDトップのシャープをはじめ、内外の関連メーカーから注目されている。