2005年01月31日
三菱レイヨン、炭素繊維事業を欧米で強化
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:東レ、三菱レイヨン

 三菱レイヨン(本社:東京都港区、皇芳之社長)は31日、炭素繊維の急速な需要増に対応するため米国子会社であるGrafil社の生産能力を増強するとともに、SGLカーボングループに生産委託し、欧米で供給拠点を強化すると発表した。

 米国Grafil社は、カリフォルニア州にある現有年産1,500トン設備を500トン増強して同2,000トンとする計画で、稼動開始は2005年4Qの見込み。

 またSGLカーボングループへは、SGL Technic 社(英国スコットランド)を通じて、レギュラートウ年間500〜750トンの生産委託を行う。 委託生産開始は2006年Q1。

 三菱レイヨングループはPAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維の主力メーカーで、同事業を基幹事業に位置付け、原料であるANモノマーからレギュラートウ・プリプレグ、ゴルフシャフトなどの加工品まで一貫生産してきた。国内では他に東レ、東邦テナックスの両社が事業化しているが、三菱レイヨンはトップメーカー。
 
 軽量で丈夫、耐熱性に優れるなど多くの特徴をもち、用途範囲も広いところから、成長ポテンシャルは高いとされてきたが、新たに米エアバス社から次期航空機「A380」で使用する1次構造材の認定を取得する見通し。さらに圧力容器、風力発電、自動車関連など新市場の立ち上がりも予想され、供給体制を整える必要がでてきた。欧米だけでなく、国内でも07年Q3には焼成ライン(生産能力:約2,000t/年)を新設する計画を進めている。
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1107160114.doc