2005年02月08日
DIC、中国のロジン変性樹脂事業拡大 原料から一貫生産
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業

 大日本インキ化学工業(DIC、小江紘司社長)は8日、中国におけるロジン変性樹脂事業を大幅に拡大し、原料ガムロジンから一貫生産体制を構築すると発表した。

 印刷インキや塗料に使用されるロジン変性樹脂は、ガムロジンを原料としているが、天然資源である生松脂を原料とするため、調達・価格面に変動要因を抱えている。また、中国内の需要増加や天候不順による生松脂価格の高騰などから市況はタイト化しており、良質品の安定確保が課題となっていた。

 DICは1998年、広東省肇慶市徳慶県に現地企業と合弁で徳慶迪愛生合成樹脂有限公司(徳慶DIC、現在は同社100%子会社)を設立し、年産能力9,000トン規模でインキ・塗料用ロジン変性樹脂を生産してきた。今回、原料の安定確保とコスト競争力強化のため、ロジン変性樹脂の生産能力を増強するとともに、原料ガムロジンからの一貫生産体制を構築することとした。

 ロジン変性樹脂の年産能力は現行年産9,000トンから、2010年には25,000 トンに増やす計画。第1期として06年2月までに約6億円をかけ18,000トンに増強する。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1107849946.pdf


 またガムロジンは、昨年設立した肇慶迪愛生松香有限公司(肇慶DIC)が工場に隣接する地元企業からガムロジン工場(年産能力20,000トン)を買収した。6月に稼動開始の予定で、稼動後はDIC千葉工場などにも供給する予定。

【徳慶迪愛生合成樹脂有限公司の概要】
◇所在地:広東省肇慶市徳慶県
◇設立:1998年3月
◇資本金:550万米ドル
◇出資比率:DICグループ100%
◇総経理:須永義明
◇従業員:約90 名
◇生産品目:インキ・塗料用ロジン変性樹脂
◇生産能力:9,000 トン/年

【肇慶迪愛生松香有限公司の概要】
◇所在地:広東省肇慶市徳慶県
◇設立:2004 年9 月
◇資本金:230万米ドル
◇出資比率:DICグループ100%
◇総経理:程珍発(徳慶DIC 副総経理)
◇従業員:約60 名
◇生産品目:ガムロジン
◇生産能力:20,000 トン/年