2005年02月18日
ポリオレフィンのフィルム用品種の出荷に変動
両PEは2ヶ月連続減少、PPは3ヶ月連続の拡大
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン3樹脂の1月の国内向け出荷は、LDPEとHDPEが前年同月を下回りPPだけが前年同月超えとなったが、これには各樹脂の主力品種であるフィルム用品種の増減が大きく作用していることが明らかになった。
 
 ポリオレフィン3樹脂それぞれに占めるフィルム用品種の構成比は、昨年の年計を例にとるとLDPEで53.3%、HDPEで35.6%、PPで20.0%となっている。両PEでは断然トップであり、PPでは射出成形用に次ぐ高構成比となっている。
 
 そのフィルム用品種の1月の出荷数量と対前年同月比は、LDPE=6万9,400トンで3.0%減、HDPE=2万6,800トンで6.3%減、PP=4万2,900トンで5.6%増--であった。ちなみに、各樹脂の国内向け出荷量と前年同月比は、LDPE=12万7,100トンで2.7%減、HDPE=7万3,100トンで7.4%減、PP=21万4,400トンで2.9%増--となっている。両PEはフィルム用品種の減少がそのまま国内向け出荷の縮小となって現われており、PPは逆にフィルム品種の伸びに大きく助けられている点が浮き彫りになっている。
 
 うちLDPEとHDPEのフィルム容易品種は2ヶ月連続の前年同月割れであり、PPのフィルム用は3ヶ月連続の前年同月超えである。ポリオレフィン各社とも、どうしてこのようにPEとPPとの間に違いが生じたかは明らかでないとしている。敢えて言えば、PEフィルムの場合は中国をはじめとしたアジア諸国から大量の輸入品が持ち込まれるのが定常化しており、一方のPPフィルムは品質面のアドバンテージが効いて輸入圧力をほとんど受けないできている点に要因があると指摘する向きが多い。
 
 しかし、各樹脂のフィルム品種の04年トータルの前年比はLDPEが85万5,600トンで3.1%増、HDPEが35万8,100トンで3.2%増、PPが53万4,700トンで3.7%増--であった。いずれも他の品種以上に安定した伸びを遂げたといえる。それだけに、ここにきての変化が何を意味するのかをポリオレフィン各社とも慎重に見極めようとしている。