2001年10月16日
厚労省・エンドクリン検討会、中間報告書に追補
重点課題5項目と行動計画の原案を基本了承
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:厚生労働省

 厚生労働省医薬局は16日、「内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会」(座長=伊東信行・名古屋市立大学名誉教授)の第12回会合を開き、同検討会が平成10年11月に内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する中間報告書をまとめたあと引き続き取り組んできた同物質の健康影響問題に係わる重点課題についての検討の成果と今後目指すべき行動計画について討議を求めた。
 その結果、重点課題に関しては(1)試験スキーム(2)採取・分析法(3)低用量問題対策(4)暴露疫学等調査(5)リスクコミュニケーション--の5つのテーマについての事務局案を大筋において了承、一部修正を加えて、同報告書に追補することで意見の一致をみた。

 この中で、特に一般市民の間でも関心が高い低用量問題については「低用量作用は実験的には生物学的に説明可能と言えるかもしれないが、人への影響の有無を判断するためにはまだ確実に多くのデータが不足していて、十分な予測ができない状態にある」としたうえ、「米・EPAの計画に時期を合わせて試験法を開発すべく対応するメカニズムの研究を進めて一刻も早く実態を明らかにすべき」との意見をまとめた。
 
 一方、行動計画については(1)低用量域を含むホルモン作用が生物学的に説明可能な物質のリストを20002年度から2005年度までに4次に分けて整備する(2)リスト化された物質は順次詳細な検討を加え、内分泌かく乱作用を通したヒトの健康への悪影響の可能性があるかどうかを評価する(3)リスト化された物質は、順次暴露モニタリング対象物質とし、生活環境からの総暴露量の評価とリスク評価を実施し、また生体試料の保存を継続的に行なう(4)生体試料分析について、信頼性の高い採取・分析法ガイドラインを整備する(5)複数の分析機関によるクロスチェックを実施し、精度管理保証のための措置を講ずる‐‐など13の項目を掲げて実現を目指していくことで意見が一致した。