2005年02月21日
アジアでSMメーカーの定修が相次ぎスタート
BP/上海の新設備が稼動するも需給は一段と逼迫
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外)
【関連企業・団体】:なし

 アジア地域におけるSM(スチレンモノマー)メーカーの間で春の定修が相次いでスタートした。
 今年上期(1〜6月)に定修を予定しているアジアのSMメーカーは、日本の4社(4基)、韓国の5社(6基)、台湾の2社(2基)、マレーシア、タイ、インドネシア、シンガポールそれぞれの各1社(各1基)の合計15社(16基)。1月初旬〜下旬に台湾・GPPCが年産13万トン設備の定修を実施したのを皮切りに、2月入りとともにタイ・サイアムダウと旭化成ケミカルズが前後してそれぞれ24万トンと30万トンの大型設備を運休して定修に入り、続いて3月初旬から6月末までの間に残る12社が相次いで2週間〜4週間をかけて定修を実施する予定にある。
 
 アジア地域におけるSMの今年の総生産能力は、日本スチレン工業会の推定では中国を含めて年産1,061万3,000トンとなる。この中には、中国・BP/上海の年産50万トン設備、同・DOHOWの15万トン設備、同・SHELL/CNOOCの55万トン装置、韓国・YNCCの14万トン設備--といった新増設プラントも含まれる。ただし、BP/上海の50万トン設備こそ3〜4月から稼動するものの、他の設備は完工が秋以降なので、今年の実戦力としてはカウントできない。
 一方の需要は、同じく日本スチレン工業会の予想では1,251万9,000トンとなっている。つまりは約190万トンの能力不足となるとの見方が有力なのである。3年連続の大幅ショートバランスが避けられないということになる。しかも、上期には合計約400万トン能力のプラントが2〜4週間運休する。一昨年や昨年同様に米国や欧州から大量に製品が持ち込まれない限り、アジアにおける今年の需給はこれまで以上に逼迫する公算が濃厚というわけで、特に大量消費国の中国では一段と品不足が深刻となりそう。