2005年02月23日
三井化学、PHの対中輸出価格を引き上げへ
BZの高騰を睨み、1,450〜1,500ドルを目標
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はフェノール(PH)の3月の中国向け輸出価格をトン当たり100〜150ドル引き上げる。CFR1,450〜1,500ドルを目指す。
 
 同社のPHの中国向け輸出価格は、04年11月初旬の同1,550ドルをピークにその後下降を続け今年2月初旬渡し分は1,350ドルまで下がった。これは、主原料ベンゼン(BZ)の国際相場が昨年9月を頂点に今年1月まで軟化を続けてきたのと、中国の需要が一時ほどの伸びを見せないまま旧正月の長期休暇入りしたことによるものであった。
 しかし、ここにきてBZの国際スポット相場が再騰、また中国からの引き合いが旧正月休暇明けとともに再び活発になってきたため3月積みを久方ぶりに底上げすることにしたもの。
 
 同社によると、PHのアジア地域の需給バランスは今年も逼迫が続く見通しにある。アジア全域の今年の総需要量は前年比113.4%の196万9,000トンで、対する供給能力は同146.0%ながらもまだ178万6,000トンにとどまるというのが同社の予想。差し引き18万3,000トンのショートということになる。昨年同様に米国や欧州からの流入があればバランスするが、今年は欧米ともに昨年ほど余裕がないのと見られている。しかも上期は世界各地で定修が集中的に実施されるので、事態は一層深刻になる見通しだ。このため同社も3月以降の品繰りにかなり苦労しそう。