2005年02月24日
極東でエチレン価格が急騰
需給逼迫でトン1,200ドルに迫る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 極東におけるエチレン価格が今週に入って急騰してきた。台湾向けが特に高く、23日にはCFRトン当たり1,170〜1,180ドルをつけている。この3日で同100ドル前後上がったことになる。わが国の大手商社の間では、一両日中に1,200ドル台に乗ると見る向きが多数を占めている。

 アジア地域におけるエチレンの価格は、昨年9月上旬から中旬にかけて1,280〜1,290ドルの最高値に達したもののその後は弱含みに転じ、12月下旬から今年1月中旬までは1,000ドルの大台を40〜60ドル割り込む低水準で推移していた。それが2月に入って再び極東を中心に上昇、先週末には1,070〜1,090ドルをつけるところまできていたが、さらに今週に入って大幅アップとなったもの。

 この要因は、台湾・FPCが年産103万5,000トン能力の第2エチレンプラントを3月1日から向こう45日間にわたって定修のため運休することが確定して東アジア地域におけるエチレンの需給バランスが一気に逼迫する見通しとなってきたことにあると見られる。台湾のエチレン生産能力はFPCとCPCの両社合計で年産285万トン。3月1日から4月半ばまではそのうちの36%相当分が運休となるだけに、東アジア地域全体の需給に大きな影響が出るのは避けられない。

 アジアではこれに先駆けてタイのTOCが年産38万5,000トンのエチレンプラントを2月20日から定修のため運休中。再稼動は再来週はじめとなる見込み。それに続いては3月中旬から4月中・下旬にかけて山陽石油化学が44万3,000トンの、また東ソーが49万3,000トンのエチレン装置の定修に入る予定。