2001年10月16日
TEC、DME大型製造プロセスを確立
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東洋エンジニアリング

 東洋エンジニアリング(TEC)は16日、次世代クリーンエネルギーとして期待されているDME(ジメチルエーテル)の大型製造プロセスを確立したと発表した。天然ガスを合成ガス(一酸化炭素と水素の混合ガス)に転換し、触媒反応させてメタノールを経由、DMEとするもので、年産250万トン(日産7,000~8,000トン)規模の製造プロセスを確立した。

 同社はこれまで得意としてきたアンモニア、メタノール、水素プラントなどの経験や実績をもとに新たに合成技術を組み合わせてこの製造プロセスを開発した。

 メタノールを経由したDME製造プロセスは、まだ日産数トン程度の実績しかない合成ガスから直接DMEを得る技術に比べて(1)新たな開発要素が少ない(2)大型化が容易である(3)大型250万トンでも合成器は1基でよくプラント建設費が安い、などの特徴をもっているという。

 同社の試算によると、中東などの安価な天然ガスを原料として同プロセスでDMEを生産した場合、DMEトン当たりコストは90~100ドル。これは発熱量百万BTU当たり約3ドルに相当する。

 性状の近いLPGのタンカーや貯蔵施設を利用すれば、クリーン燃料として十分な競争力をもっていると同社ではいっている。

 なお、DMEについては先にNKKなど8社が直接合成法技術を用いた製造販売事業化検討会社の設立を発表するなど、開発と事業化をめぐる動きが活発化している。