2005年02月28日
中外製薬、生産体制再編へ 宇都宮、藤枝2工場に集約
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:中外製薬

 中外製薬は28日、生産機能の徹底した効率化と集中化を図るため、生産体制を再編し、現有国内5工場を、5ー6年後をめどに宇都宮工場と藤枝工場の2工場に集約するとともに、06年1月(予定)には生産部門を一括分社化すると発表した。

 同社は、医療用固形剤を生産している鏡石工場(福島県鏡石町)を、今年6月末ニプロへ譲渡するが、2002年10月のロシュ社との戦略的アライアンスを契機に、コストシナジーの極大化に向けた取り組みを強化。2003年には高岡工場(富山県高岡市)、松永工場(広島県福山市)を譲渡・閉鎖して5工場体制とした。

 しかし、今年4月の改正薬事法の施行により、今後、医薬品生産を取り巻く環境はますます大きく変化することが予想される。全面的な製造委・受託が可能となる環境下、品質・技術力を備えた製造受託メーカーが台頭し、新薬メーカーとの相互補完関係が強まるとともに、新薬メーカーにとっては、こうした製造受託メーカーとの連携が、自社技術の維持・強化とコスト構造上大きな影響をもたらすとしている。

 宇都宮工場については、今後浮間工場(東京都北区)のバイオ原薬製造機能、無菌注射剤製造機能などを移管し、中長期的に同工場をバイオ医薬品の原薬・製剤一貫工場に整備していく方針。宇都宮工場は、抗体医薬の生産拠点としてすでに積極的な投資を行っており、2007年には合計8万リットルと国内最大級の動物細胞培養設備をもつ工場になる。

 一方、藤枝工場には、浮間工場、鎌倉工場(神奈川県鎌倉市)から自社で製造を続ける高活性品を中心とした固形剤製造機能などを移管、医薬品の原薬・製剤一貫工場に整備する。このため今年から2008年にかけて約200億円の資金を投入し、最新鋭の固形剤生産ラインならびに関連設備の建設・整備を行う。
 
【宇都宮工場】
◇所在地 :栃木県宇都宮市清原工業団地16-3
◇敷地面積 :約122,000平方メートル
◇事業内容 :バイオ医薬品の生産
◇主たる製造品エポジン注、ノイトロジン注
◇従業員数 :186名

【藤枝工場】
◇所在地 :静岡県藤枝市高柳2500
◇敷地面積 :約218,000平方メートル
◇事業内容 :合成医薬品の原薬生産
◇主たる製造品 :アルファロール原薬、シグマート原薬
◇従業員数 :73名

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1109573805.pdf