2005年03月02日
三井化学、PTAの中国向け価格を再度引き上げ
3月渡し分をCFRトン970ドルでオファー
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はPTA(高純度テレフタル酸)の中国向け輸出価格を2月に続いて3月分も底上げする方針を固め、このほど中国の需要家各社に通告するとともに受け入れの説得を開始した。2月分については1月比40ドル高のCFRトン当たり940ドルとすることで中国側需要家各社の同意を得るのに成功したが、3月分はそれよりさらに30ドル高の970ドルを目指す。

 今回の引き上げも、これまでと同じく原料パラキシレン(PX)の続騰に対処してのもの。PXの価格は、世界全体の需給の逼迫に伴って毎月上昇を続けている。今年1月に同870ドルであったのが、2月には965ドル引き上げられ、3月はついに1,000ドルの大台に乗って1,010ドルに達する見通しにある。

 これに伴い三井化学などPTAメーカーは収支バランスを大きく圧迫されており、早期に製品価格に転嫁しないと採算を維持できなくなっている。

 しかし、最大の輸出先である中国のポリエステル繊維メーカーなど需要家の多くは、これまでのPTAの価格上昇分の多くを製品価格に転嫁できないままきているため今回の同社の再値上げに対しては強く反発している。中国国内のポリエステル繊維の需要は引き続き今年も着実な伸びを遂げると見られているが、原料価格の上昇に見合うだけの製品価格の大幅アップが市場にスムースに受け入れられる状況にはなくなってきている。

 このため、3月分の値上げ交渉ではこれまで以上に厳しい抵抗を受け続けることになりそう。同社も長期戦を覚悟しており、期限切れとなる3月末まで説得に全力を投入していきたいとしている。