2005年03月04日
重慶市が世界レベルの天然ガス化学工業基地を建設
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱ガス化学

重慶市経済委員会は、このほど発表した『重慶天然ガス化学工業投資促進レポート』
の中で、第11次5カ年計画の一環として総額430億元を投じ、今後10〜20年の間に世界レベルの「天然ガス化学工業基地」を建設する計画を明らかにした。

 重慶市周辺の四川盆地には豊富な天然ガス田があり、わが国ではすでに三菱ガス化学が同地区に大型メタノールプラントを建設する計画を進めている。

同『レポート』は、重慶市の将来の発展目標を、全国の重要天然ガス化学工業基地と、ファイン・ケミカル基地の建設に置き、長寿天然ガス化学工業のほか、化学肥料工業、塩化学工業の三大化学工業パークを築き上げるとしている。また今後10〜20年間にこの三大化学工業パークを、世界レベルの天然ガス化学工業基地に仕立て上げるとしている。

全般的な計画・目標は、2段階に分けて実施する。第1段階では2010年までに中期目標を達成し、第2段階で2011年〜2020年までの長期目標を達成する。三大パークの売上高は、2010年に200億元、2020年には600億〜800億元を見込む。第11次5カ年計画で、重慶市は当面100以上の重要工業プロジェクトを計画、投資総額は2,300億元にのぼっている。そのうち資源加工業の投資総額は1,230億元、天然ガス化学工業は約35%を占め430億元に達している。

重慶市が計画している長寿天然ガス化学工業パークは、長寿地区の既存の四川ビニロン工場、長寿化学工業本工場、四川燃料化学工業本工場、長風化学工場、川慶化学工場など大規模な化学工業各企業をベースに「長寿天然ガス化学工業グループ会社」を創設し、天然ガス化学工業とメチルアルコール、酢酸、補助剤のシリーズ製品などを重点的に発展させる。2005年末までに同工業パークの年間生産総額は60億元に達すると予測している。

同『レポート』は、重慶市の天然ガス生産量については非常に楽観視しており、2010年には生産量は100億立方メートルに達すると予測している。ただ、現在同市の天然ガス供給には、一日当たり25万立方メートル、年間では1億立方メートル近くの不足が見られ、計画中のプロジェクトが期限どおりに完成すれば、重慶市の天然ガスの需要はかつてない伸びが見られる、としている。