2001年10月15日
東燃ゼネ石-東亜石油、川崎4,000メートル海底パイプライン着工
石油残渣油有効利用へ共同研究
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和シェル石油

 川崎地区に製油所をもつ東燃ゼネラル石油と東亜石油の親会社である昭和シェル石油の両社は、それぞれ異なる重質油処理設備を組み合わせ、高値付加価製品を効率的に生産しようと、共同研究開発に取り組むことにしているが、このほど地盤調査を終え両製油所間を結ぶ海底パイプラインの敷設工事に着手した。

 両社の製油所は川崎市の沖合い埋立地である千鳥地区と浮島地区にあり、パイプの長さは運河をはさんで約4,000メートル。工事は東燃ゼネラル石油側の立杭掘削からはじまった。このあとシールド工法によって横杭を掘り、トンネルを通したあと、10インチパイプ3本を通す。完成は来年秋頃の予定。 東燃ゼネラル石油は重質油分解にH-オイル水素分解という水添分解プロセス(1日当たり処理能力2万8,000バレル)、一方の東亜石油はフレキシコーカという熱分解プロセス(同2万4,000バレル)を使って処理しているが、2つの異なる処理方法を統合し、水添分解したあと、もう一度熱分解装置にかけるなどの方法によって、残渣油からより付加価値の高いガソリンや軽油などの生産が可能になるのではないかというのが共同研究のねらい。

 東燃ゼネラル、昭和シェル石油の両社は、これまでに粘度の高い残渣油を長距離移送するためのシステムや両社の分解技術評価、残渣油の成分など、研究に必要な起訴データをまとめてきた。2002年度中には本格実験に入る予定だ。それぞれ親会社や資本系列は異なるが「合理化にかける思いは同じです」と両社ではいっている。