2005年03月07日
VCMの3月の対中輸出価格交渉が決着
2月分を若干上回りCFR740〜750ドルに
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:旭硝子、カネカ、東ソー

 東ソー、カネカ、旭硝子などわが国のVCM(塩ビモノマー)メーカー各社が中国の大手PVC(塩ビ樹脂)メーカーとの間で進めていたVCMの3月の輸出価格交渉が先週末に決着した。
 決着価格は、メーカーや取り引きの多寡によって若干異なるが、大方がトン当たりCFR740〜750ドルとなった。2月の価格に比べると同10ドル高い。1月の690〜700ドルをボトムに小幅ながらも2ヶ月連続の改善となった。東ソーなど各社のオファー価格がほぼ受け入れられた。
 
 VCMの中国向け輸出価格は、01年12月の310ドルをボトムにじわじわと上昇を続け、中途で小幅の反落も何度か経ながら昨年10月にはついに840〜850ドルというこの数年における最高値をつけた。しかし、その後は同国のPVCメーカーが製品価格への転嫁を思うようにできなくなったとして買い控えに入ったため下降線をたどっていたが、ここにきて底を打ち、ちょうど1年前の昨年2月と同じレベルまで引き戻せることができたもの。
 なお、わが国のVCMの04年における総輸出量は前年比97.2%の73万4,657トンで、うち中国向けは同105.7%の57万2,275トンであった。中国向けでは他の国を大きく引き離すシェアを確保している。