2005年03月08日 |
世界各地でフェノール装置が定修へ |
運休が重なる3〜7月は需給がさらに逼迫 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外) 【関連企業・団体】:三井化学 |
今年は例年以上に上期に集中するかたちとなったフェノール(PH)メーカーの定修が3月からいよいよ米国メーカーを皮切りにスタートした。 わが国におけるPHのトップメーカーの三井化学の調べによると、3月から7月までの期間に定修を実施するPH工場の数は世界全体で合計9工場にのぼる見通し。これに伴いこの期間のPHの生産量は大幅に縮小する見通しで、このため、台湾・長春石油化学の新規参入や韓国・錦湖P&B化学の増設で供給力が若干拡大してもアジア全体の需給バランスは一段と逼迫するのが必至と見られている。 三井化学の調べによると、3月中に定修で運休するのは米・シェルケミカルの年産(以下同)52万5,000トン、同・スノコの77万トン、同・イネオスの52万トンの各設備で、それぞれ2〜3週間運休する見込み。続く4月には、千葉フェノールの20万トン設備と独・イネオスの60万トンプラントが2週間停止する。 そして5月には、三菱化学の25万トン装置が30日間、ミツイフェノール・シンガポールの同じく25万トン設備が40日間運休する。また6月と7月には、三井化学の千葉工場の19万トンプラントがクリーニング・シャットダウンする一方、同じ三井化学の大阪工場の20万トン装置が33日間にわたって定修のため運休、他方、新日鉄化学の12万トン設備が6月末をもって操業打ち切りとなる。 この数年のPHのアジア地域における需給バランスは、02年以降の中国の需要の急拡大によって完全な逼迫状態に陥っている。昨年までは、欧米各社が余剰玉をアジアに振り向けてきたためかろうじてバランスが維持されてきた。しかし今年は、欧米でも需要が拡大しつつあるので定修が集中する3〜4月はアジアへの輸出余力はほとんどんくなると見られている。このため、アジアのPHメーカーの定修が一段落する7月末まではアジア全体で品不足が一段と深刻になるといえそう。 |