2005年03月09日
三井化学、フェノールとアニリンの価格体系を改定
原料BZ同様に国内向けもアジア市況にリンク
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、フェノールとアニリンの国内向け価格決定方式を4月の出荷分から大幅に改定することにして需要家各社に具体的な内容を説明するとともに同意を得るための説得を開始した。

 これは、原料ベンゼン(BZ)の価格が海外向けに加えて国内向けについても4月から大幅に変更されることに伴う措置。具体的には、フェノールもアニリンも4月以降の価格を「BZの新国内リスト価格プラスフェノール市況」によって決定することにし、加えてその価格を「月単位」の「先決め」で決定するように改めるというもの。

 これに伴い、4月のフェノールの国内向け価格をキログラム35円、アニリンを同39円それぞれ引き上げることになる。一方の輸出価格は、フェノールをトン当たりCFR1,560ドル、アニリンを同1,600ドルに上げる。

 同社によると、原料BZの国内価格は4月から輸出価格同様に従来の「四半期単位」「後決め」「コスト50%と国際市況50%の構成」--3原則による決定方式から「月決め」「先決め」「アジア市況」--を内容とする新方式に大幅に改定されることになっている。このため誘導品であるフェノールとアニリンのコストが著しくアップし、しかも現実の両製品のアジア市況との乖離も一段と大きくなることから、同社も事業の継続にはBZと同様の価格決定方式を採用していくことが不可避と判断したもの。

 同社では、BZの4月の新リスト価格が今年第1・四半期よりキロ28円上がって132.2円になると想定している。一方のアジアの市況との乖離も大きく、このためフェノールでは35円、アニリンでは39円の底上げがどうしても必要になると説明している。