2005年03月11日
三井化学、自動車向けPP価格フォーミュラー改訂へ
適用対象期間の短縮等で需要家各社の説得を開始
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、自動車部品向けPP(ポリプロピレン)の価格決定フォーミュラーの改訂を図るため自動車メーカーならびに自動車部品製造メーカーとの交渉に乗り出した。
 
 現在のフォーミュラーは、同樹脂の納入価格をユーザー別に6ヶ月毎に見直し、その6ヶ月前のナフサの平均価格に変化が生じていた場合はそれにスライドせるかたちで次期の価格を決めることを基本としたものとなっている。こうしたいわゆる“ナフサスライド・システム”は、かねてから同社のみならずわが国のPPメーカー全てが自動車部品向けを中心に採用しており、最近は適用期間を四半期単位とすることを前提に他の大口安定需要先にも適用範囲を広げる動きを取るところが多い。
 ところが、ナフサ価格が四半期単位で長期にわたって上昇を続けてきたため、この数年はPP各社とも完全な逆ザヤパターンに陥り慢性的な赤字の計上に悩まされる事態となっている。このため三井化学では、新価格の適用期間を四半期単位に短縮することで後決めの弊害を軽減したいと考え、ユーザー各社の説得に乗り出しているもの。同時に、ベースの価格自体も採算ラインをかなり下回るレベルに据え置かれたままなので、この底上げも認めるよう強く要請している。
 
 同社のこうした説得活動は、4月1日に発足する同社と出光興産のポリオレフィン統合会社「プライムポリマー」にそのまま引き継がれるが、他のPPメーカーも新年度入りを機に同様の説得に本腰を入れて取り組むことになると見られる。