2005年03月14日
三井化学、BPAの価格も修正へ
BZの値上げに対応、EX価格も改正
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は14日、ビスフェノールA(BPA)とエポキシ(EX)の価格を4月出荷分から国内向けも海外向けもともに引き上げることを明らかにした。

 いずれも昨年3月以降5度目の価格修正となる。上げ幅は、国内向けがBPAでキログラム30円、EXで同32円。アップ率はともに12%となる。一方の輸出価格については、BPAをトン50ドル引き上げてCFR2,100ドルに、EXを100ドル上げて2,800ドルにそれぞれ改める。

 今回の価格修正は、主原料のベンゼン(BZ)の4月の国内価格がアジア市況に連動して大幅に上昇することが確定したことによるもの。BZの国内価格は、3月までとは大幅に異なる方式で決定されることになっており、これに伴い4月の価格の上昇が不可避となっている。具体的には、“コストとアジア市況を50%づつ反映させて、四半期単位で後決めする”というこれまでの決定方法から“100%アジア市況に基づく先決め・月極め”の方式に変更されるため、その結果4月のBZ価格は今年1~3月期に比べてキロ28.2円引き上げられることになる。それに伴い、原料のフェノールのコストが同30円高くなるので、事業採算の維持のためBPAの価格も同30円引き上げるほかなくなったと同社では説明している。

 EXの場合は、さらにもう一方の原料のエピクロルヒドリン(ECH)の価格も同12円引き上げられるので、BPAとECHのそれぞれの原単位から計算して32円の値上げに踏み切ることにしたもの。

 同社では、当面は4月の出荷分の修正に全精力を投入していく。しかし、今後はBZと同様にBPAやEXの内外の価格も“アジア市況に連動させた月単位の先決め”方式に改めていきたい考え。ただし、需要家の中には、月単位で変動させていく方式は最終需要家の自動車メーカーや電子・電機メーカーから強く反発されるのでただちに受け入れるわけにいかないと反対する向きが少なくないので、説得にはあるていど時間がかかりそう。