2005年03月16日
自治体のごみ処理費用、分別収集でアップ
環境省がアンケート調査から推計
【カテゴリー】:行政/団体(環境/安全)
【関連企業・団体】:環境省

 容器包装リサイクル法に基づく分別収集を実施したことによって地方自治体の処理費用が膨らむ結果となっている--。こうした推計結果が16日に開催された中央環境審議会の廃棄物・リサイクル部会の第27回会合において環境省から報告された。
 
 これは、同省が合計1,586の地方自治体から回答を得たアンケート調査(平成16年11月1日〜17年1月17日に実施)で把握された1,586自治体の総処理費用を全国の地方自治体全体に置き直して推計したもの。
 同省では、平成8年度まで可燃ごみまたは不燃ごみとして処理していた容器包装を現在も同じ手法で処理し続けていると仮定した場合の想定費用と、容器包装リサイクル法に基づいて実施している現在(15年度)の分別収集・選別保管に要する費用とを比較した結果、分別収集にかかる費用の方が380億2,500万円高いという結論になったと説明している。
 うち、格差が最も大きいのはペットボトルの235億3,400万円で、以下はプラスチック製容器包装の120億5,600万円、スチール缶の94億1,900万円、アルミ缶の60億4,600万円、白色トレイの23億4,700万円、紙パックの20億7,600万円--の順となっている。びんは逆に149億5,100万円安くなっており、また紙容器包装は22億1,400万円、段ボールは2億8,800万円それぞれ減額になっている。
 
 ただし同省では、こうした結論の算定根拠の重要な構成項目と言える埋め立て処分費用は平成8年当時のものを採用していて現時点とはかなり開きがあるので、全体で380億円高になっているという今回の結論が実態を正確に反映したものとは言い難いと付け加えている。現在の埋め立て処分費は以前よりかなり高くなっているので実際の格差はもっと小さいか、あるいは逆にマイナス・アルファーになることもあり得るとしている。