2005年03月17日
プロピレンの価格改定交渉が進展
新日石化学、4月からの切り替え目指す
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:新日本石油化学

 新日本石油化学はかねてから国内のプロピレンユーザー各社に対してプロピレンの販売価格を4月から改訂したいと申し入れて了承方を要請してきたが、同社によると、ここにきて多くの需要家から基本的同意が得られるようになってきたという。
 
 新日石化学が4月から適用したいと計画している新価格は、取り引き数量全体の3分の2を原料ナフサ見合いで、そして残り3分の1をアジア市況ベースで構成するというもの。これまでは、専ら四半期ごとのナフサ価格にスライドさせる方式を採用してきたが、4月からは全体の3分の1にアジアのプロピレン市況を反映させるようにしたいと考えて説得に乗り出しているところ。うちナフサ見合いの価格については、これまでの“ナフサ価格の2倍プラスアルファー”に加えて一定の調整金を上乗せしたい考え。
 こうした提案に対してはユーザーの多くが事実上の大幅な値上げになるとして当初は強く反発、現在もなお抵抗の姿勢を維持するところもあるが、同社によると最近は理解を示すところが次第に増えてきているという。
 結局は、これからは石油化学製品全ての価格がアジア全域の需給バランスと市況見合いで決められるのが妥当とする同社の考えが需給のタイト化を背景に需要家にも容認されはじめたと見ることができる。ただし調整金の額については、同社の希望額の引き下げを強く求めるところが多い。それもあって、最終的な合意内容が煮詰まるまでにはもう少し時間がかかりそう。