2005年03月22日
三井化学の「第2回触媒科学国際シンポ」が開幕
世界有数の触媒開発者と「三井触媒科学賞」受賞者が講演
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学が03年3月に続いて国内外の触媒開発の先導者を招いて開催する「三井化学第2回触媒科学国際シンポジウム」が千葉県木更津市のかずさアカデミアホールで22日に開幕した。

 今回のシンポジウムのテーマは「精密合成を目指したグリーン触媒最前線」。開催期日は22、23の両日。講演者は、かねてから機能性材料の創出に利用される触媒の開発に取り組み多大な成果を上げている著名な研究者8人と、昨年新たに制定された「三井化学 触媒科学賞」の受賞者2人。

 22日は、中西宏幸・三井化学社長が開会の挨拶をしたあと、01年度のノーベル化学賞受賞者のK.Barry Sharpless・米・スクリプス研究所教授による基調講演で幕が開けた。Sharpless教授の基調講演に続いては、香月勗・九州大学教授、Eric N.Jacobsen・米・ハーバード大学教授(三井化学 触媒科学賞の受賞者の一人)、Richard R.Schrock・米・マサチューセッツ工科大学教授、昇忠仁・三井化学研究主幹--の各招待講師と、「三井化学 触媒科学賞」のもう一人の受賞者である小林修・東京大学教授の計6氏が講演し午後5時過ぎに初日のプログラムが終了となった。
 
 23日日には、藤島昭・神奈川科学技術アカデミー理事長、米・カーギルダウ社の Patrick R.Gruber博士、Roger a.Sheldon・蘭・デルフト工科大学教授--の3氏が講演する。

 この日の会場には、大学や公的研究機関で触媒開発に携わっている専門家に加えて民間企業の研究者と三井化学の技術陣あわせて約1,200人が集まり各講師の話に熱心に耳を傾けた。

 22日の開幕に先立って挨拶に立った中西社長のスピーチの概要は以下の通り。

 「優れた触媒の開発は化学産業における生産性を飛躍的に向上させ、また、環境負荷を著しく低減させる。したがって、触媒科学は21世紀の新産業の創造を導くと言って過言でなく、このため三井化学は長年にわたって培ってきた科学のネットワークを活用しながら最先端の触媒開発に取り組んでいるところだ。このネットワークを生かして2003年に重合触媒最前線をテーマに第1回触媒科学シンポジウムを開催してご好評をいただいた。今回は、ファインケミカズ、医薬、農薬などの分野において様々な機能を有する新しい物質や合成法の創出をもたらし、社会の持続的発展を目指した機能性材料の創出に利用される触媒科学の研究に焦点を当てたシンポジウムとした。触媒科学について世界をリードする研究を進めておられる方々にご講演いただくことで、触媒科学の最先端の成果を共有することができ、合わせて各先生方の日頃の研究に対する考え方についてもお話をお聞きできるだけに非常に有意義なシンポジウムになると期待している。」