2005年03月23日
化学物質の15年度の環境実態、特段の問題なし
環境省が23日の中環審で報告
【カテゴリー】:行政/団体(環境/安全)
【関連企業・団体】:環境省

 環境省は23日、中央環境審議会環境保健部会の化学物質評価専門委員会を開き、同省が実施した「平成15年度化学物質環境実態調査」の結果を報告した。
 
 報告内容は(1)初期環境調査(化学物質審査規制法の指定や化学物質排出把握管理促進法の候補さらには非意図的生成等の化学物質の環境残留状況を把握するための調査)(2)暴露調査(化学物質審査規制法などの対象化学物質についてその環境リスク初期評価を実施するのに必要なヒトおよび生物の化学暴露量を把握するために用いる環境残留状況を把握する調査)(3)モニタリング調査(POPs対象物質の指定化学物質等のうち環境残留性が高く環境基準等が設定されておらず環境実態の経年的把握が必要な物質についての経年調査)--の3種類の調査の結果をまとめたもの。
 
 うち「初期環境調査」では、延べ20物質の水質、底質、水生生物、大気における残留状況が調査された。その結果合計9物質が検出されたがその値は低く、また多くが初めての調査対象物質であったり、検出下限値をこれまでより引き下げた結果検出できた値であったりしたこともあり、特段の問題は見出せない旨の報告が行われた。
 一方「暴露調査」では、延べ10物質について水質、底質、水生生物における残留調査が実施された。その結果合計7物質が検出されたが、この場合も同様の見解が示された。
 
 また「モニタリング調査」では延べ40物質を対象に水質、底質、貝類・魚類・鳥類、大気--における残留調査が行われた。その結果、ごく一部を除いて残留していることが判明したと報告された。ただし、それぞれの検出値については特に問題があるとの指摘はなかった。