2001年10月11日
シックハウス・基準値に2種類の化学物質を追加へ
11日の厚生労働省検討会で意見が一致
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:厚生労働省

 厚生労働省医薬局は11日、「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」の第8回会合を開き、室内空気汚染に係わる新たなガイドラインの設定について事務局案を示し討議を求めた。
 その結果、既存の11物質に加えてアセトアルデヒドとフェノブカルブの2種類の化学物質についてもガイドライン(室内濃度指針値)を設けるのが妥当との点で意見の一致が見られた。
 
 このうちのアセトアルデヒドに関しては、同指針値を50μg/立法メートル(0.03ppm)に設定することに意見がまとまった。これは、ラットに対する経気道暴露に関する知見から鼻腔嗅覚上皮に影響を及ぼさないと考えられる無毒性量を基に算出したもの。具体的には、ラットの4週の経気道暴露で求められたNOEL(無影響量)=270mg/立法メートルを用いて耐容濃度を得ることとし、不確実係数として1000を採用したうえで、発がん性試験を実施した1日当たり6時間、週当たり5日投与の条件を1日24時間、週7日に平均化して計算することによって割り出した。
 
 しかし一方の殺虫剤フェノブカルブについては、具体的な指針値をまとめるには至らなかった。事務局案は、130μg/立法メートル(15ppm)となっていたが、検討会のメンバーの中から、他のデータも参考にしたほうがベターとの意見が出されたため事務局で再検討して改めてメンバー各氏に諮ることになった。