2005年03月25日
三菱化学はKPCからの4月起こし分を見送り
ナフサのプレミアム価格の引き上げを拒否
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は、クウェート石油公社(KPC)から引き取るナフサの4月起こし分(今年4月から来年3月までの引き取り分)の契約を見送ることになった。
 
 これは、KPCが日本、台湾、韓国の各国の石油化学企業や商社等に通告してきた同期分のプレミアム価格がこれまでになく高く、それを受け入れると石油化学ビジネスの収益の確保が危うくなると判断したことによるもの。
 
 当初KPCは、トン当たり18ドルのプレミアムを各国に提示したが、これは12月起こし分を5ドルも上回るものだけに各国が厳しい拒否反応を示し、このためKPCも譲歩して同16ドルに縮小して再提示していた。
 
 それに対して、大手商社や石油化学企業さらには石油精製企業の間では、これ以上の譲歩を求めても無理と判断して数量の大幅な縮小を条件に契約を継続する構えのところが多数を占めつつある。
 
 しかし三菱化学は、KPCの要求を受け入れるとさらに他の産油国からのプレミアムの増額も容認せざるを得なくなることもあって今回契約をとりあえず見送ることにしたもの。
 
 同社はこれまでも、03年下期のサウジアラムコのプレミアムの増額を拒否して同期分の引き取りを見送ってソースを他の国に切り替えた経験も持つ。こうした同社の姿勢に共鳴して同様の対応策を取るところも今後いくつか出てきそう。