2005年03月31日
三井化学、エラストマー製品の第3次価格改定へ
上げ幅は国内向けが25〜35円、輸出価格が250ドル
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は31日、エラストマー製品の販売価格を4月15日から国内向けも海外向けも全品種にわったて引き上げると発表した。昨年9月に打ち上げて実施した第2次修正に続くもので、この1年では3度目の値上げとなる。

 対象は、同社が企業化している「三井EPT」、「ミラストマー」、「タフマー」、「アドマー」、「ビューロン」の計5品種のすべて。

 上げ幅は、国内向けがキログラム当たり25〜35円。輸出価格がトン当たり250ドル以上。うち国内向けのアップ率は品種によって、あるいは現在取引されている価格の違いによって大きく異なる。最大15%、最も小幅の場合では5%となる。一方の輸出価格についてはCFR2,500ドルを目指していく。

 今回の第3次値上げは、これまでの原料の高騰分を製品価格に十分に転嫁できないできた中で、4月以降のナフサ価格がキロリットル当たり4万円に大きく跳ね上がることが避けられなくなったこと、さらにはENBやオイルなどの副資材費も大幅に上昇してきたこと等からこのままでは採算を確保していけなくなったためと説明している。

 現在の各種製品の価格は、キロリットル当たり3万円から3万5,000円のナフサ価格見合いのものであり、したがって、4月以降のナフサ価格に適合していくにはその分だけでもキログラム当たり10〜20円の値上げが必要になるとしている。そして、今後も採算を確保して安定供給を続けていくには、従来の積み残し分の修正と副資材費の高騰分の転嫁を合わせて同25〜35円の値上げがどうしても必要としている。

 エラストマー製品の需要は世界各地で順調に拡大しており、一方の新増設がほとんどないため需給バランスはきわめてタイトな状態にある。