2005年04月07日
クラレ、米CAMI社 から「ベクトラン事業」買収
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:クラレ

 クラレは7日、米国Celanese Advanced Materials Inc.(CAMI)からポリアリレート「ベクトラン」繊維事業を買収したと発表した。今月1日に契約締結した。同社のベクトラン事業に関する資産すべてを今月中に引き取る予定。

 CAMIは、米国サウスカロライナ州フォートミルに「ベクトラン」事業の本拠を置き、北中南米・欧州向けに開発・販売を行ってきた。今後はクラレの米国法人、Kuraray America Inc.(KAI)の新規事業部として運営する。

 「ベクトラン」は、一般にスーパー繊維と呼ばれる高強力高弾性率の繊維で、低クリープ性・非吸湿性・極低温化での高強力物性・耐湿磨耗性に優れるなど、多くの特徴を持っている。

 NASAの火星探査機「スピリット」「オポチュニティ」にも「ベクトラン」製の特殊エアバッグが使用されたことで知られている。

 日本では水産資材などのほか、イヤホンコード・成層圏飛行船膜材のテンションメンバー、テニスのネットロープ、海洋調査用ロープ、プラスチック補強材料などに利用が進んでいる。

 クラレは、1990年に「ベクトラン」の生産を開始して以来、CAMI社とは密接な協力関係にあった。今回の買収は、クラレにとってビニロン・K −〓など産業向け機能繊維と市場開発面でのシナジーを強化していく戦略にも合致した。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1112857718.pdf