2005年04月08日
世界全体でエチレンの需給がタイトに
各国とも設備の稼動アップで需要増に対応
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社が先にサンアントニオで開催されたNPRA(全米石油製造業者協会)の05年総会で入手した情報によると、昨年は世界全体でエチレンの需要が大きく増え、一方ではエチレンプラントの新増設がほとんどなかったため世界全体の需給バランスが一気にタイト化し、現在もその状態が続いていることが明らかになった。
 
 同総会で明らかにされた各種のデータによると、04年の世界全体のエチレン需要量は前年を600万トン上回って1億300万トンになった模様。伸び率は約6%ということになる。うち米国、欧州、アジアにおける需要増加分は450万トンになったと推定されている。
 対する設備の新増設はほとんどなく、各国とも既存の設備の稼働率を最大限度まで引き上げてかろうじて需要増に対処してきたと見られている。この結果、米国、欧州、アジアの各国のエチレン製造プラントは軒並みフル稼働となり、現在にいたるも同じ状態が続いていると見られている。同会議の出席者の多くからは、08年末までタイトのまま推移するとの発言
が聞かれたという。
 
 こうした中で、欧米ではエチレンならびにプロピレンの価格の上昇が続いている。米国のエチレン価格は第1・四半期にポンド当たり41.5セントであったのが、4月のアナウンスでは同42.5セントになっている。プロピレンは3月が同44.5セント、4月のオファーが1〜1.5セント高となっている。欧州のエチレンは第1・四半期がトン当たり740ユーロ、第2・四半期分は同10ユーロ高となりつつある。プロピレンは第1・四半期が同685ユーロ、第2・四半期は同705ユーロで決着している。