2005年04月11日
C3の国内価格、新フォーミュラーで決定へ
ただし、TVAについては話し合いが続行
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:新日本石油化学

 新日本石油化学がかねてから国内の需要家各社に受け入れを要請していたプロピレンの新たな価格決定方式(フォーミュラー)が、いよいよ今年度第1・四半期(4〜6月期)分から採用される公算が濃厚となってきた。ただし、新日石化学が要求しているTVA(一時調整金)の加算についてはユーザー各社が依然として強く反発しているため話し合いが継続中であり、したがって新フォーミュラーに関して関係者の間で全面的な合意が成立するまでにはもう少し時間がかかりそう。
 
 新日石化学が提示してきた今回の新価格決定フォーミュラーは、取り引き量の全ての価格をナフサの3ヶ月平均の価格2倍の金額にさらに一定額を上乗せして決める従来のいわゆる“2Nプラスα方式”から、“取引量全体の3分の1をアジアのスポット相場見合いとし、そして3分の2を2NプラスαプラスTVAで構成する方式”に改めるというもの。当初同社では、全量の価格をアジア相場見合いに切り替えたいと考え、しかもPXやBZと同様に月極め・先決めとすることも希望していたが、需要家各社の反発を受けて軌道修正したという。
 
 その“修正案”に対しても、3月末まではユーザーの多くが大幅なコストアップを招くことになるとして強く反対してきた。しかし4月に入ってからは、プロピレンの全世界的な需給逼迫の進行と、化学製品全体の価格のアジア相場連動型への移行の動きの顕在化とを睨んで“基本同意”に傾くところが増えてきていた。
 残るポイントは、TVAを巡っての意見調整の行方に絞られることになる。ただしこの問題については、当面の間の金額をどう設定するかにとどまらず、中・長期的にTVAというものをどう捉えていくべきかを双方でしっかり論議したうえで最終決定したいと強く主張するユーザーも少なくないだけに、決着までにはあるていど時間がかかりそう。