2005年04月11日
日・韓両国でリファイナリーの定修が相次ぐ
アジア市場でプロピレンの逼迫観が一段と強まる
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:なし

 日本と韓国で石油精製企業のFCCあるいはPDH(プロパンデハイドロ)の設備の定修が相次いでスタートした。このためアジアのプロピレン市場では逼迫観が一段と強まっており、スポット相場が極東でも東南アジアでも引き続き上昇傾向をたどっている。加えて5月には日本、タイ、シンガポールでエチレンセンターの定修が集中的に実施される見通しにもあり、プロピレンの品不足が長期におよぶ可能性はかなり高い。
 
 日本と韓国の両国の石油精製企業の間では、3月下旬以降定修のラッシュが始まっている。これに伴い韓国では、暁星が3月17日から4月7日まで年産16万5,000トンのPDH装置を運休したのを皮切りに、泰光産業が3月20日から4月19日まで25万トンの同じくPDH装置を、またLGカルテックスが17万5,000トンのFCC設備をそれぞれ運休、そしてSオイルも5月21日から1ヵ月にわたって大型FCC装置の定修を予定している模様。
 
 一方日本では、ジャパンエナジーが3月末から5月中旬までの予定で水島の50万トンのFCC装置を運休中のほか、新日本石油が堺の23万トンのFCC設備を4月7日から5月20日まで、そして麻里布の40万トンのFCC装置を4月18日から5月末までそれぞれ定修のため運休する予定。
  
 これに一呼吸置いてスタートする見通しなのが三菱化学、タイ・NPC、シンガポ−ル・EMの3社のエチレンプラントの定修。
 三菱化学は鹿島と水島で5月中旬から約40日間エチレンプラントを運休する。鹿島では45万3,000トンのエチレン第2号機を5月10日から6月23日まで、また水島では45万トン設備を5月11日から6月21日までそれぞれ運休する。東ソー・四日市と山陽石油化学・水島の両コンビナートの定修明けを待つかたちでの定修入りとなる。
 NPCは43万トン設備を4月25日から5月30日まで、またエクソンモービルは80万トンプラントを5月中旬から6月中旬までそれぞれ運休して定修を実施する模様。
 さらのこれらの後には三井化学・堺と同社・千葉が6月から8月にかけて定修を予定してもおり、この間にアジア地域のプロピレン相場は一段と高くなる可能性がある。