2005年04月12日
三井化学、PHの価格改定で需要家の同意得る
取り引き条件の改訂でも合意、5月から実行に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、フェノール(PH)の価格と取引条件の双方の改訂について国内大手需要家各社の同意を得ることができたと12日発表した。
 
 今回大手需要家との間で合意に達した点は(1)4月出荷分の納入価格をキログラム当たり28〜35円引き上げること(2)取り引き条件を、5月から“原料ベンゼン(BZ)の新しい国内リスト価格見合い(ただし、PHのアジア市況が大きく変動した場合はそれも加味する)の先決め・月極め方式”に改めること--の2点。中堅ユーザーに続いて大日本インキ、群栄化学など大手需要家の同意も取り付けた。
 
 当初同社では、このうちの4月の納入価格については、BZ価格のアップとアジア市況のアップとの乖離の解消を目的に同35円引き上げることにしていた。しかし、BZのアジア地域における4月のコントラクト価格が当初予想されていたトン当たり1,200ドルまでは上がらず1,115ドルとなったのに伴って国内向けのBZのリスト価格が当初の予想より同7.7円低い同124.3円への引き上げにとどめられることが決まったため、それに合わせてPHの上げ幅を最も小幅のケースで同28円に下方修正することにしたもの。上げ幅を同35円とすることでユーザーの同意を得たケースも少なくないが、これは、従来の原料アップ分の転嫁が十分実現できずにきたケースについて改めて改善を求めた結果同意が得られたことによるものという。
 
 一方の取り引き条件の改訂は、原料BZの取り引き条件が4月から“アジア市況見合いの月極め・先決め方式”に改められたことに対応して原料価格の変動に機敏に適応していくことにしたもの。これに伴い、今後はフェノール樹脂メーカーなどPHの需要家の多くも自動車メーカーなどユーザーとの取り引き条件を同じ内容のものに改訂していくことになるのではないかと見られる。
 
 また同社では、PHの輸出価格については4月のコントラクト価格をCFRトン当たり1,475ドルとすることにして中国等の需要家各社と交渉中。3月比97ドルの引き上げであり、同意が得られない場合は減産も考えていくとしている。