2005年04月13日
中国からの樹脂の引き合い 依然低調
価格もL-Lを除き前月並みにとどまる
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびにポリオレフィンメーカーによると、中国からのポリオレフィンの引き合いは依然として低調で、このため4月下旬渡し分の価格もL-LDPEを除いて3月とほとんど変わらないレベルにとどまっている。大手商社の中には、中国国内の需要自体が低迷状態にあることが日本など海外に対する引き合いの縮小の大きな要因と分析する向きが増えている。

 直近のポリオレフィン各樹脂の4月下旬渡しのCFR価格の平均は、L-LDPEがトン当たり1,140〜1,150ドル、HP-LDPEが同1,290〜1,300ドル、HDPEが同1,130〜1,140ドル、PPホモポリマーが同1,120〜1,130ドル--となっている。うちL-LDPEは3月の契約価格を20ドル上回っているが、他の樹脂はほとんど3月の横並びにとどまっている。

 L-LDPEが上がったのは、最大の供給国であるサウジアラビアがエチレン不足のため同樹脂の減産に入っていて中国向けのデリバリーを従来の半分に減らしたためとみられている。サウジからの対中国向けの5月の引渡し量はさらに縮小する公算が濃厚。

 しかし他の樹脂に対しては、中国国内の加工企業やトレーダーの多くが引き続き手当てに慎重な構えを崩していない。ただし、末端の需要が依然として停滞したままなのか、あるいは加工企業の多くがこれまでのレジン価格の上昇分を製品価格に転嫁できずに操短に踏み切っているからなのか、正確な背景はまだ把握されていない。