2005年04月19日
PSの国内向け出荷、3月は8万トン台に戻る
1〜3月期の総出荷量は前年並みに
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が19日に集計したところによると、PS(ポリスチレン)の3月の生産・出荷実績は、生産が前年同月比2%減の7万3,510トン、出荷が同前年同月の横並びの8万6,114トンとなった。出荷のうち、国内向けは同2%減の8万1,622トン、輸出は同34%増の4,492トンとなっている。
 
 この中では、国内向け出荷が1〜2月連続の6万トン台から一気に8万トン台へと急回復している点が注目される。FS用が前年同月比5%増の1万8,130トンと順調な伸びを遂げたほか、包装用が1%増の3万1,422トン、電機工業用が前年の横並びの1万6,642トンとともに盛り返したことによる。事務機、OPS、PSP向けの回復に負うところが大きい。ただし、雑貨産業用が13%減と引き続き不振であったため、トータルでは小幅ながらも前年同月割れとなった。
 輸出の大幅増は中国/香港向けが増えたことによるもの。
 
 この結果、PSの1〜3月期の総生産量は前年同期比6%減の22万7,870トン、総出荷量は同8%減の21万9,142トンとなった。生産の減少は、日本ポリスチレンの設備の縮小(年産2万8,000トン規模)と他のPSメーカーの生産調整によるもの。
 
 一方の出荷のうち、国内向けは同8%減の21万572トン、輸出は同14%減の8,570トンとなっている。国内向けの落ち込みは、包装分野におけるユ−ザーの在庫調整が響いての1〜2月の需要不振が大きく影響してのもの。電機工業用は2%減の4万4,623トン、FS用は3%減の4万6,180トンと小幅の縮小にとどまったが、雑貨産業用が19%減の3万9,930トンと大幅な落ち込みとなったのが響いている。包装用は7%減の7万9,839トンであった。事務機、エアコン、OPS向け等の需要は比較的順調であったという。
 期末在庫は1%減の9万6,834トンとなった。在庫率は1.1ヶ月分で、5〜7月に定修が予定されている点を考慮すると適正規模ということになる。