2005年04月19日
プライムポリマーの木村社長ら首脳が会見、基本戦略を披露
コスト構造変革、差別分野の拡充、国際基盤強化に注力
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:プライムポリマー

 プライムポリマーの木村峰男社長は19日に濱田眞治副社長とともに記者会見し、同社の企業理念や当面の経営目標ならびに基本戦略とその実現のための重点課題等について説明した。
 
 はじめに木村社長が「グローバルな視点、顧客とともに歩む視点の二つの視点を基本に、全ての関係者から信頼できるプライム・ソリューション・パートナーとの評価を得ながらともに繁栄していくようにしていきたい」と基本理念を披露、続いて濱田副社長が「三井化学が蓄積してきた触媒や重合の技術力と出光興産が得意としてきたアプリケーションノウハウやバルク物流ノウハウさらにはIT関連マーケティング力等を効率よく活かしていくことで狙いをきちんと実現していけると確信している」と補足して息の合ったところを示した。
 
 目標とする企業像については「三井化学と出光興産の優れた企業文化を融合して周囲から“革新的で、個性豊かで、明るく感度のよいポリオレフィンメーカー”と評される企業を目指す」と強調。ただし経営目標に関しては、発足後まだ日が浅いとあって「3年後のROS5%、ROA8%を目標とする中期経営計画の策定作業に入ったばかりのところであり、詳細を取りまとめるのは7月末となる見通し」と述べるにとどまった。
 
 一方、基本戦略については(1)アジア基準を目指すコスト構造変革(2)差別化分野への選択と集中(3)ボーダレス化に応じた事業基盤の強化--の3つの重点目標を掲げて、その実現に精力的に取り組んでいく考えを表明した。
 (1)のテーマについては、アジア基準のコスト競争力を実現するために生産・SCMを中心にコスト構造を変革していく考えを示した。加工製品を含めたコスト競争力の強化に取り組んでいくとしている点が注目される。(2)の課題に関しては、差別化分野に重点を置いた事業構造に転換するためにマーケティング・技術・生産の選択と集中を強力に推進していきたいと述べた。その一つとして、C6ならびにC8コモノマーのL-LDPEや小型ブロー向けのHDPEなどの育成・強化に力を入れていく考えを示した。(3)のテーマについては、ボーダレス化する市場に対応するためにパートナーとの協調・提携によって事業基盤の強化を図っていくきたいと説明、タイなどの技術ライセンス先等を当面のパートナーと考えている旨も披露した。
 
 また、こうした戦略の実現には統合のシナジー効果の徹底追求が不可欠と指摘、ついては(1)合理化効果の早期実現(2)事業構造の抜本的改革(3)成長市場の獲得--の3つの課題の早期クリアに挑戦していきたいと力説した。生産・販売・研究開発の組織と機能の再編、グレード数の統合、全プラントの生産効率の向上、アジア市場全体を睨んでの高付加価値品種の開発・育成--などを具体的なテーマに掲げていく構え。