2005年04月20日
PVCの3月の実績、生産も出荷も前年を若干下回る
会計年度合計の出荷は前年比3%減の210万トンに
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が20日に集計したところによると、PVC(塩ビ樹脂)の3月の生産と出荷の数量はともに前年同月をわずかながら下回った。
 
 生産量は前年同月比99.5%の17万7,666トン、出荷量は同98.2%の17万9,107トンとなっている。生産は8ヶ月連続の、また出荷は7ヶ月連続の前年同月割れとなった。
 出荷のうちの国内向けは同93.3%の11万8,455トンと引き続き低調であった。3ヶ月続いて前年同月を下回ったことになる。硬質用が同86.7%の6万4,642トンにとどまったのが響いている。軟質用は同104.0%の3万2,598トン、また電線その他は同101.0%の2万1,215トンとともに着実な伸びを遂げたが、硬質用の落ち込みをカバーするには至らなかった。輸出は同109.3%の6万652トンで、2ヶ月連続の前年同月超えとなった。
 
 この結果、04年度(04年4月〜05年3月)の総生産量は前年度比98.5%の211万9,885トン、総出荷量は同97.0%の210万3,084トンとなった。出荷のうちの国内向けは同99.8%の144万2,465トン、輸出は同91.3%の66万619トンとなっている。
 同樹脂の国内向け出荷は、96年度の205万4,000トンをピークに縮小に転じ、99年度以降は4年連続で減少してきた。04年度も引き続き前年度を割り込んだわけだが、縮小量はわずか3,000トンであり、縮小率は0.2%にとどまっている。
 こうした点から同樹脂業界内部には「塩ビの持つ優れた品質・機能を見直す需要家が増えてきたことも与って、縮小傾向に歯止めがかかってきたと見てよいのではないか」(日野清司・大洋塩ビ社長ら)と分析する向きが多い。ただし、「そうかといって輸出も含めた需要全体が大きく伸びることは期待できないので、需給の適正化に引き続き十分配慮していくことが大切」(同社長)との慎重な発言も少なくない。
 
 なお、VCM(塩ビモノマー)の3月の実績は生産が同99.2%、出荷が同95.7%でともに前年同月を下回った。うちPVC用の出荷は同98.9%となっている。この結果、04年度の総生産量は同99.8%の295万1,496トン、総出荷量は同97.7%の277万1,420トンとなった。生産は前年の横並び、出荷は微減ということになる。