2005年04月21日
PETボトルの今年度リサイクル量、減少必至
容リ協の自治体からの引き取り数量、異例の前年割れに
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 (財)日本容器包装リサイクル協会は21日に開催された産業構造審議会の廃棄物・リサイクル小委員会において、容器包装リサイクル法にしていされている各種容器包装の平成17年における市町村からの引き取り見込み数量と直近の再商品化契約事業者数を報告した。

 この中では、これまで常に前年度の実績を大きく上回ってきたPETボトルの市町村からの引き取り量が今年度は前年度を上回ることが避けられないと報告された点が注目される。

 この日の説明によると、同協会が各市町村から引き取る使用済みPETボトルの今年度の総数量は17万6,843トンとなる見込み。昨年度の実績はまだはっきりしないが、およそ19万1,000トンになったのではないかと見られている。同ボトルのこれまでの引き取り数量は、平成9年度の1万4,014トンからスタートして3万5,664トン、5万5,675トン、9万6,652トン、13万1,027トン、15万3,860トン、17万3,875トン、19万1,000トンと毎年拡大の一途をたどってきた。

 それが17年度は前年度の実績見込みを7.6%下回るという異例の事態となる見通しなわけ。これには、市町村の間で分別収集したPETボトルを中国に輸出する業者に有料で引き渡すところが出始めたことが大きく影響していると見られる。自治体の中には、分別収集に要した費用を少しでも回収したいと考えるところが多く、したがって対中国輸出に独自のルートを持つ流通業者の誘いに簡単に乗るところが増えつつある。

 このため、国内における今年度のPETボトルの再商品化の落札業者は前年度の59社から48社に縮小することが確定した。再商品化事業者(リサイクル事業者)の中には、すでに必要なだけの使用済みPETボトルが確保できなくなってかつてない低操業にあえいでいるところが増えつつある。今年度は、このままいくとさらにそうした経営の危機に見舞われるところが増えることになりそう。容器包装リサイクル法の行方を大きく左右する重大な事態が生じているわけで、この問題を行政当局がどうsばいていくかが注目される。