2005年04月25日
三菱化学、スチレンモノマーの値上げを表明
国内の非フォーミュラー需要家向けを30円引き上げ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は25日、スチレンモノマー(SM)の国内の“非フォーミュラー需要家”向け価格をキログラム当たり30円引き上げると発表した。5月2日の出荷分から実施する。アップ率は20%内外となる。昨年春以降では今回が5回目の値上げ。
 
 今回の値上げの対象となるのは、4月出荷分からSMの価格をベンゼン(BZ)の海外価格見合いの月極め・先決めとすることですでに合意済みの“フォーミュラー需要家”を除く小口ユーザー向けのSM。同社の総出荷量の約10%どころが該当するという。
 
 上げ幅をキロ30円に設定したのは、BZの4〜6月期の海外価格がトン当たり1,150〜1,200ドルに再上昇するのと、同期のナフサ価格がキロリットル3万8,000円にアップするに伴いSMのコストがキロ30円押し上げられるのが必至の見通しにあるためと同社では説明している。

 現在のSMの需給バランスは、中国の買い控えによってアジア地域全体で若干緩んでいる。しかし5月以降は、中国の需要が5月1〜7日の労働節休暇明けから再び活発になると予想されること、一方のSMの供給能力が3〜6月末における北東アジア地域のSMメーカーの相次ぐ定修によって大幅に縮小する見通しにあること、等から急速に逼迫する公算が濃厚となっている。しかも同社によると、昨年1年でアジア地域に約60万トン流入した米国品が今年はフレートの高騰と米国市場の需給の改善でほとんど入らないまま終わる可能性が強いともいう。同社にとっては引き続き追い風だが、需要家は一段と厳しい局面に立たされそう。