2005年04月25日
汎用4樹脂の1Qの出荷、主要品種のほとんどが前年割れ
前年超えはPPのフィルム用など4品種だけ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 経産省化学課は25日、汎用4樹脂(ポリオレフィン3樹脂とポリスチレン)の今年1〜3月期の品種別(需要分野別)出荷実績をまとめた。
 
 それによると、各樹脂の国内向けの最大消費品種は軒並み前年同期の実績を割り込んでいる。また、他の主要品種もPP(ポリプロピレン)のフィルム用を除いて全て前年同期を下回っている。前年同期の実績が春の値上げを控えて発生した前倒し需要のせいで例年以上の高水準となったことの反動と見られる。
 
 各樹脂の最大消費品種の実績は、LDPE(低密度ポリエチレン)のフィルム用が21万747トンで前年同期比93%、HDPE(高密度ポリエチレン)のフィルム用が8万105トンで同91%、PPの射出成形用が39万5,045トンで同99%、PS(ポリスチレン)の包装用が7万9,839トンで同93%--となっており、全て前年同期を下回っている。両PEのフィルム用とPSの包装用の落ち込み幅の大きさが目を引く。PPの射出成形用の場合は、パレット・コンテナー用が14%、一般工業用が3%それぞれ前年を上回ったが、雑貨用が10%減となったのが響いた。

 またこれらの品種に続いて出荷数量の多い品種の実績は、LDPEの加工紙用が6万4,763トンで同96%、HDPEの中空成形用が4万7,961トンで同99.8%、PPのフィルム用が13万3,806トンで同101%、PSのFS(フォームスチレン)用が4万6,190トンで同97%--で多くがマイナス成長となっている。

 逆に前年同期を上回ったのは、LDPEの電線被覆用(5%増)、PPの中空成形用(13%増)と繊維用(4%増)とフィルム用(1%増)の4品種だけ。HDPEとPSは全ての品種が前年割れとなった。

 この結果、各樹脂の同期の国内向け出荷は、PPがかろうじて前年並みを維持したものの、他の3樹脂は両PEが6%、PSが2%のマイナス成長となり、輸出を含めた出荷トータルも全て前年割れと予想以上の不調に終わった。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1114400015.tif