2005年04月26日
L-LDPEの出荷、4ヶ月連続で前年を下回る
フィルム用の長期不振が影響、1Q計は8.2%減
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)の出荷不振が続いている。3月の出荷数量は8万851トンで、前年同月の実績を7.6%下回った。4ヶ月連続の前年同月割れである。
 うち国内向けは6万9,493トンで同10.0%減、輸出は1万1,358トンで同10.7%増となっている。輸出は4ヶ月振りに前年同月を上回ったが、肝心の国内向けが4ヶ月連続の前年割れとなったため、トータルでは引き続きマイナス成長となった。
 
 国内向けの落ち込みの最大の要因は、出荷数量が他を大きく圧倒しているフィルム向けが不振を続けている点にある。同品種の3月の出荷数量は5万909トンで前年同月を10.1%下回っている。これで同品種は7ヶ月連続の前年同月割れとなった。
 
 これに伴う1〜3月期の同樹脂の総出荷数量は22万4,197トンとなった。前年同期を8.2%下回っている。うち国内向けは19万6,847トンで同8.0%減、輸出は2万7,350トンで同9.2%減となっている。同期の場合も、フィルム向けの出荷の不振が大きく影響いている。同品種の出荷数量は14万4,956で、前年同月を9.85下回っている。
 
 L-LDPEの出荷がこのように長期不振に陥った要因は明らかでない。04年の一時期は、L-LDPEメーカーの中で採算を確保できないことを理由に大幅な減産を実施するところも出て、それが出荷の減少に結びついたと分析する向きもあった。しかし今年に入ってからは、毎月の生産量が常に前年同月の生産量と今年の出荷量の両方を上回っている。
 結局は、前年同期の実績が前の年の1〜3月期を大きく上回るものであったことの反動が出てきたのではないかというのが同樹脂関係者に共通した見方となっている。ただし、前年同期の実績は国内向けが5%、総出荷量が6.9%増であったので、今年1〜3月期は2年前をまだかなり下回っていることになる。