2005年04月28日
三井化学、PTAの5月の輸出価格も据え置きへ
中国向け、4月と同じトン910ドルでノミネーション
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はこのほど、中国のPTAの需要家各社に対して5月のPTAの輸出価格をCFRトン当たり910ドルにしたいとの考えを表明した。5月1日から始まる労働節休暇が明ける9日から交渉を開始する。
 
 4月の納入価格は同910ドルであったので、今回の同社のオファーがそのまま受け入れられると2ヵ月連続の910ドルとなる。その場合は、直近の最高値となった3月の契約価格を2ヵ月連続で60ドル下回ることになる。
 
 当初同社では、4月の価格については3月の横並びの970ドルとしたい考えであった。しかし、供給余力を持つ韓国と台湾のPTAメーカーが大幅な拡販に打って出たこと、中国のポリエステルチップメーカーの中で資金難から当面のPTAの購入量の削減に踏み切るところが出始めたこと、さらには中国で大型PTAプラントが相次いで完成し試運転に入ったため需要家の間に先行き需給の緩和観が生れたこと等の要因を背景としたユーザー各社の強い反発を押し返せず譲歩を余儀なくされた。
 
 5月の価格をその4月と同じレベルに据え置くことにしたのは、原料パラキシレン(PX)の5月の価格が4月より100ドル下がって910ドルとなることが確実となってきたため910ドルを維持できれば逆ザヤの回避が可能と判断したからと見られる。
 
 なお同社では、今後のPTAのアジアの需給バランスはポリエステル繊維の夏物の需要が本格化する5月以降に再びタイト化すると予想している。