2005年05月09日
BASFとShell 世界最大のPPメーカー「BASELL」売却ヘ
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:BASF、サンアロマー、昭和電工、新日本石油化学

BASFとShellは5日、両社の50/50のポリオレフィンJV、Basellをニューヨークの投資会社 Access Industriesとインド系の投資会社 Chatterjee Groupのコンソーシアム に売却すると発表した。

 売却金額は借入金を含め44億ユーロ(約5,900億円)。今後独禁政策当局の認可を得たうえで、本年下期に正式調印する予定。

 Basell は2000年に ShellのMontell、BASF/ShellのElennac、BASFのTargorを統合して誕生したもので、BASFとShellが50%ずつ出資する世界最大級のポリオレフィンメーカー。世界21カ国に生産拠点をもち、PPでは世界最大の生産能力(年産510万トン)および技術供与実績、PEでは世界第四位の生産能力(同260万トン)を誇る。

 日本では、昭和電工と新日本石油化学の両社がBasellグループと50%ずつ出資し、PPメーカーの「サンアロマー」(大分、年産18万2,000トン)を共同運営している。

 BASFとShell は昨年7月にBasellを今後どうするかの戦略的オプションの検討に入っていることを発表した。両者はこの合弁が短期間に成功したと考え、同社を売却か上場により切り離し、それぞれの専業事業に集中することとしたもの。

 売却先のAccessはLen Blavatnik が1986年に設立した投資会社で、石油、アルミ、石炭、通信分野などに幅広く投資している。ChatterjeeはインドのPurnendu Chatterjeeが米国に設立した投資会社で、インドの 石化会社Haldia Petrochemicalの株主。HaldiaはBasellのPPおよびLLDPE/HDPE技術を導入している。

<参考>
◇Basellについてはトップページから「欧米化学会社の変遷」をご覧ください。 
 http://www.chem-t.com/link/graph/hensen/