2005年05月09日
BASF、環境に優しい金属表面処理剤「ルガルバン」開発
鉄鋼メーカー向けなどに国内マーケティング開始
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:BASF

 BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は9日、有毒なクロム酸塩やフッ化物、重金属を含まない、新しい金属表面処理剤「ルガルバン」を開発したと発表した。欧州・北米に続き、日本でも近くマーケティング活動を開始する。特に鉄鋼メーカーなどをターゲットに市場開発を行う。
 
 従来、使用されていたクロメート処理はRoHS やWEEE 指令により使用できなくなりつつあるが、同社が開発したルガルバン製品は、従来のクロメート処理に代わる新世代の表面処理剤として、亜鉛メッキ鋼板やアルミニウムの表面に使用することができる。

 製品は、亜鉛メッキ鋼板向けの「ルガルバン・パッシベーション」と、アルミニウム製品向け「ルガルバンFDC」の2種類。特徴は以下の通り。

「ルガルバン・パッシベーション」
(1) 市場の他の製品とは異なり重金属を使用しないため、毒性による問題がない。
(2)ルガルバン・パッシベーションによって亜鉛メッキ鋼を処理して得られた表面の膜は、面を腐食から保護するだけでなく自己修復作用を持つ。これまで、自己修復作用の実現は、毒性の疑いがある6 価クロムを含むクロメート処理によってのみ可能だった事を考えると、技術的な偉業を成し遂げたといえる。
(3)冷間加工の際などに保護層が損傷しても自動的に修復されるようになったため、ルガルバン・パッシベーション製品による処理はコーティングを施していない金属表面の防食性を大幅に高める。

「ルガルバンFDC」
(1)処理に先立ってアルミニウムを脱脂処理する必要がなく、必要なら後で表面を塗装できる。
(2)透明な保護膜として、そして付着力の増進剤として機能。
(3)従来の保護膜処理で必要だった徹底した事前洗浄やすすぎの繰り返しが不要。このため工程が簡素化されコストを大幅に削減することができる。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1115616368.pdf