2005年05月17日
アジアのオレフィン相場、さらに下降
エチレンは昨年4月いらいの低水準に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびにエチレンセンター筋の調べによると、アジア地域におけるオレフィンのスポット相場が先週1週間で一段と下落した。うちエチレンの直近の価格は昨年4月上旬いらいの低水準となっている。プロピレンは依然としてエチレンの価格を上回っている。しかしこの1週間の下降幅は、エチレン同様にこれまでになく大きいものとなっている。
 
 商社やエチレンセンター各社が入手した最近の情報によると、エチレンの直近のCFR価格の平均は極東地域がトン当たり(以下同)720ドル、東南アジア地域が760ドルとなっている。この1週間における下落幅は、極東地域が30ドル、東南アジア地域が60ドル弱ということになる。今年に入ってからの最高値の2月下旬の平均に比べると、極東地域の価格は470ドル、東南アジア価格は400ドルの値下がりした計算になる。
 
 一方のプロピレンの直近の価格は、極東が930ドル、東南アジアが940ドルとなっている。1週間前に比べると極東では65ドル、東南アジアでは45ドル値下がりしたことになる。極東の相場は1月下旬から2月上旬にかけてのレベルに戻っている。東南アジアの価格は1月中旬から下旬にかけての水準にかえっている。
 
 大手商社やエチレンセンターの多くは、オレフィンの価格がこのように続落している要因として(1)ポリオレフィンなど誘導品の需要が中国をはじめとしたアジア地域全体に減少してきていること(2)原料ナフサの価格が下降傾向にあること(3)2ヶ月前後前に米国で船積みされたプロピレンやポリプロピレンがここにきて台湾やインドネシアに到着してアジア地域全体に需給緩和感が広がってきたこと--の3点を挙げている。
 また、今後の見通しについては、少なくとも2〜3週間は大幅な反騰はないと述べる向きが大半を占めている。