2005年05月23日
ANの対中輸出価格、5月分は4月の横並びに
中国の需要家の多くが日本側の要求を受け入れ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズなどアクリロニトリル(AN)メーカーによると、ANの5月の中国向け輸出価格はCFRトン当たり1,390〜1,410ドルの範囲内に収まることがほぼ確定した。日本側各社の要求がおおむね受け入れられたという。4月分とほぼ同じレベルに据え置かれることが決まったことになる。3月分に比較すると50〜60ドル高い。1〜2月分に対比すると140〜150ドル高ということになる。
 
 化学製品の対中国輸出価格は多くの製品が今年に入って弱含みで推移しており、5月の大型連休明けの交渉でも値下げを強く要求する中国側に日本側が押し切られるケースが相次いでいる。
 そうした中でANの価格が比較的高い水準を維持できているのは、中国の需要がアクリル繊維向けもABS樹脂向けも引き続き活発なこと、SECCOの年産26万トン設備が稼動を開始したものの米・スターリングが同36万トンプラントの操業を2月以降停止したままの状態にあることなどの要因から世界全体の需給が均衡を保っているためと見られる。