2001年10月03日
環境省、内分泌撹乱のリスク評価対象に8物質を追加
3日の「内分泌撹乱化学物質問題検討会」が了承
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:環境省

 環境省総合環境政策局は3日、「内分泌撹乱化学物質問題検討会」の今年度第2回目の会合を開き、平成13年度に新たに内分泌撹乱作用のリスク評価に取り組むべき化学物質について事務局案を示し、討議を求めた。その結果、ペンタクロロフェノール、ビスフェノールAなど合計8物質をリスク評価の対象に取り上げていくことで各委員の了承を得た。
 
 環境省は、平成12年度から3年間で合計40の化学物質について内分泌撹乱作用に関するリスク評価を実施する方針を固めており、現在は、過去2回にわたって優先的に選定した合計12物質を対象にリスク評価のための試験等に取り組んでいるところ。今回は、内外の文献調査の結果、さらに8物質についても同評価の対象に取り上げるべきとの結論に達し、この日の検討会に諮ったもの。12物質同様に、必要に応じて試験管内試験や動物実験を実施して有害性の有無を確認することになる。
 
 新たにリスク評価の対象に取り上げられることになった化学物質名とその背景は以下の通り。
 [ペンタクロロフェノール]=Beardらの報告によると、動物実験において甲状腺への影響や生殖への影響および生態影響が認められている。
 [アミトロール]=Tjalveらの報告では、動物実験で甲状腺等への影響および生殖への影響が認められている。
 [ビスフェノールA]=Nagelらの報告では、動物実験で生殖への影響および生態影響に関して相反する報告が得られている。
 [2,4-ジクロロフェノール]=Exonなどの報告によると、動物実験によって生殖への影響および免疫毒性に関して相反する報告が得られており、また、生態影響が認められてもいる。
 [4-ニトロトルエン]=Dunnickらの報告によると、動物実験によって精巣への影響及び生殖への影響が認められている。
 [フタル酸ジペンチル]=Heindelらの報告では、動物実験で精巣への影響及び生殖への影響が認められている。
 [フタル酸ジヘキシル]=NTPおよびLambらの報告によると、動物実験において精巣および甲状腺への影響ならびに生殖への影響が認められている。
 [フタル酸ジプロピル]=Heindelらの報告によると、動物実験において、精巣への影響および生殖への影響が認められている。